インターネットに接続しなければ大丈夫?

コンピューターウイルスはインターネットで感染する。ということは事実ではあります。ネットサーフィンよって、コンピューターに脅威を与えるウイルスに侵入されてしまい、パソコンのパフォーマンスが低下したりときには「破壊される」という事態も招くことになるのです。それらの被害にあった人は「無防備にインターネットに接続したから」と思うものです。「しっかりとセキュリティ対策をしておけばよかった」と後悔するか、人によっては「インターネットが悪い」と考えてしまうこともあるでしょう。そのまま「インターネットには二度と接続しない」と考えてしまう人もいるかもしれません。

たしかにインターネットに接続しなければ感染のリスクは格段に低いものになります。ただ、「100パーセント安全」ではありません。インターネットで悪意のあるプログラム遭遇する可能性は非常に高いものですし、インターネットによってコンピューターウイルスが爆発的に蔓延してしまったことも間違いありません。ですが、実はウイルスの感染経路はインターネットひとつだけではありません。

「データの受け渡し」はインターネット以外でも成立するのです。考えてみると、パソコンなどの情報端末は終始「データの交換」を行っています。メールの送受信もそのなかのひとつです。インターネットサーフィンも同じことです。Webサーバーに「このページが見たい」という「情報」を送信し、その「レスポンス」としてそのWebページが画面に表示されるのです。そのパソコンの用途にもよるのですが、インターネットなどのネットワークから完全に引き離したコンピューターは、本当にすべての外部情報に触れることなく使用できるものでしょうか。

パソコンをネットワーク接続可能な状態にしておけば、自分でインターネットに接続しなくてもパソコンが自動でさまざまなアクティビティをおこします。一番多い活動は「ソフトウェアのアップデート」です。利用しているソフトウェアが自身を最新の状態に保つために修正プログラムを自動的にダウロードして実装するのです。コンピューターのプログラムはその端末内のさまざまなリソースを利用するものです。OS自体も頻繁にアップデートされますから、それらよって環境が変わってしまったり、新しいセキュリティ対策を施すなど、そのアップデートは想像以上に頻繁に行われます。

インターネットから隔離するということはこれらのアクティビティを全て遮断するということになります。パソコンに組み込まれているブログラムは、複雑です。複雑すぎてこまかなバグが残り、、想定していなかった挙動を示すことがあります。それらの修正プログラムをダウンロードできなくなるということです。もちろんOSもアップデートされません。

そして、インターネットから隔離したとしても、USBフラッシュメモリなどでデータの交換を行うのであれば、インターネットに接続するのと同じくらいのリスクがあります。ウイルスはそのような「メディア」を介しても感染しますから、インターネットに繋がないからといってセキュリティ対策をしなくてもいいというわけではありません。そして、セキュリティ対策のための最新情報はインターネットで入手することになります。結局のところ、インターネットから隔離するということは現実的ではないのです。

 

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