カメラが乗っ取られるウイルスとは

現在のパソコンにはほとんど「カメラ」がついています。それはおそらくディスプレイの上部についていて、ユーザー側を向いています。インターネットの回線速度はこの10年で飛躍的に向上しました。音声の送受信はもちろん、それに加えて映像の情報もやり取りすることが可能になったのです。それにより、可能になったのは「テレビ電話」のような通信です。リアルタイムで互いの音声と映像を双方向にやりとりすることで、安定したビデオ通話が実現できることになりました。

それらの通信はもはや「一般的」であるともいえるため、現在のパソコンにはそのほとんどに「カメラ」とマイクが備わっているのです。固定でついている場合、それを外すことはできません。ビデオ通話をしなくてもカメラはそこについています。特に使う必要もなく、起動もしないので放っておくという人がほとんどです。確かに別に邪魔になるものでもないので、あまり「意識しない」というのが本当のところでしょう。

コンピューターウイルスの中には、実はこの「カメラ」を乗っ取ってしまうものが存在します。具体的にどういうことが起こるかというと、カメラが起動し、その前にいるユーザーを捉えます。そしてその映像を第三者のところに送信してしまうのです。これは全く恐ろしいことです。パソコンを通じて盗撮されているようなものなのです。パソコン上のカメラは、バックグラウンドで起動しても特に何の反応も示さず、ユーザーはそれに気がつけないことが多いでしょう。ですからそのようなウイルスに感染してしまうと、知らず知らずの間に盗撮されているという自体になります。そのウイルスは実際に存在しますし、被害にあった方もいます。

このウイルスはすでに検知可能なものですから、通常のセキュリティ対策を施していれば感染することはほとんどありません。そして撮影された映像はリアルタイムで第三者に送信されるわけですから、不審な通信を遮断するファイヤウォールを有効にしておけばその流出を食い止めることも可能です。です。このウイルスの怖いところが、「感染していることを気付かれないように出来ている」ということです。カメラ以外の機能は正常に動作することでしょう。

インターネットなどで思いデータを参照しなければ、ネットサーフィンも通常通りのものになるでしょう。だからこそ気付かず、カメラを通じてプライバシーを侵害され続けるのです。被害に気付かないので、駆除もできないということになります。

もし不安な方で、「カメラは使わない」という方は、「レンズをふさぐ」ということが最も有効な予防策になるでしょう。そうすればカメラは真っ暗な映像を送信し続けることになります。現在もこのようなウイルスに感染している端末はあると思われます。気に成る方は、シールか何かでそのレンズをふさいでししまうのもひとつの有効な手段でしょう。

個人情報だけではなく、「映像」としてプライバシーを侵害するこのタイプのウイルスは、被害にあった方に表しようもない不快感を与えます。トラウマになってしまう場合もあるでしょう。それらの映像が広く流出してしまうことを想像するだけで、身の毛がよだちます。気になる方はまず、コンピューターのフルスキャンを実行しましょう。

 

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