ウイルス対策ソフトウェア、セキュリティソフトウェアがインストールされていても、「ソフトウェア」である以上万全とはいえない場合もあります。起動するのに時間がかかったり、その前に悪意のあるプログラム 、ウイルスに感染してしまえば検知することができないということもあり得ます。そのプログラムがどのような活動を行うのかはわかりませんが、不審な通信を行わなければ感染に気づかないまま、ということも考えられるわけです。
そのようなことになってしまうと、使っているパソコンにウイルスが潜伏したまま、ということになってしまいます。セキュリティソフトウェアを有効にしているにもかかわらずです。そのような状態では情報漏洩のリスクや突然のパソコンのクラッシュも考えられます。知らないうちにダメージが蓄積しているかもしれないのです。
セキュリティソフトウェア、アンチウイルスソフトウェアにはそのようなことを防ぐために「スキャン」という機能があります。常にパソコンの状態を監視し、不審なソフトウェアや不審な通信からパソコンを守っているものの、ソフトウェアが起動する前に感染していたり、あまり活動しないが故に検知されない不審なプログラムをそれで検出するのです。スキャンではパソコン内部のプログラムを徹底的に洗い出し、不審なものがないかどうかを調べます。パソコンのすべての領域を確かめるため、多少の時間はかかるアクティビティになります。
つまり、パソコン内部のデータの「棚卸し」のようなものです。パソコンは記憶領域にさまざまなデータを保存します。そのデータ群はソフトウェアによって呼び出されたり、パソコンのファイルを参照する機能、「エクスプローラー」で閲覧されたりするものですが、実は「プログラム」自体も所定の領域に保存されています。それらのプログラムは実行ファイルですから、存在しているだけでは意味がなく、起動して所定の動作を行ってはじめて意味があります。これらのプログラム群は、自分自身でインストールしたものに加え、パソコンが活動するのあたって必要になり自動的に収集したものがあります。インターネットを閲覧するソフトウェアのプラグインなどです。
その他にもパソコンの機能を保つためのシステムなどもあるので、自分のパソコン内部にあるプログラムをすべて把握するのはユーザーには不可能なのです。その中に不審なファイルやプログラムがあったとしても、見ただけで気づくことは不可能でしょう。セキュリティソフトウェア、アンチウイルスソフトウェアの「スキャン」は、それら膨大なファイル群から怪しいプログラムを探し出すものです。これは毎日行う必要はなく、目安としては一週間に一度、というのが理想的なサイクルでしょう。
もしも一週間の間に一度もパソコンを使わなかった、という方でもスキャンはしたほうがいいでしょう。ユーザーがインターネットをしなくても、回線に繋がっていればパソコン自体が何らかの通信を行っていますし、パソコンにデータを取り込んだりする過程で不審なプログラムが紛れ混んでいるかもしれません。そのような「わからない間に」起っているかもしれない不測の事態をリカバリーするのがスキャンで、ユーザーだけではわからない不審なウイルスの活動を検出してくれるのです。スキャンを定期的に行うことでより安全性を高めることができるのです。
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