コンピューターウイルスが他のコンピューターに浸食していく経路はインターネットだけではありません。コンピューターとコンピューターがデータのやり取りをおこなう経路の全てを利用してウイルスは浸食していきます。コンピューターの利用シーンにどのようなものがあるのかを少し考えてみましょう。例えばちょっと容量の大きいデータなどを他のコンピューターに移動させたいときにはどのようなことを行うでしょうか。
インターネット経由では少し容量が大きいと考えられるデータは、なにかの媒体に移して移動するのではないでしょうか。例えば外付けのポータブルなハードディスク、そしてCDやDVDなどの光学メディア、そしてUSBメモリーです。実はこれらのメディアにもウイルスは混入してしまいます。他の媒体を検知した瞬間に、自己をその媒体にコピーする機能を持ったウイルスはとても多いものです。そして、それらのメディアが他のコンピューターに接続された瞬間に、再び自己をそのコンピューターにコピーするのです。インターネットに接続していないコンピューターも、これらの経路でウイルスに感染してしまうことがあります。
もしセキュリティソフトがしっかりと機能していれば、これらの接続でもウイルスの活動を検知してくれるものなのですが、インターネットに接続していない業務用PCなどでは、セキュリティソフトが組み込まれていないことも多いものです。その場合は全く無防備な状態となり、簡単にウイルスに感染してしまうことになるのです。インターネットに接続していないので、情報が外部に漏えいすることはないのですが、そのパフォーマンスは著しく低下することになります。
その結果、業務に支障をきたすことになりかねません。そのような自体を防ぐために、セキュリティ機能を有したUSBメモリを利用する方法があります。インターネットに接続していない業務用のコンピューターに、どうしてもデータを組み込みたい場合、その場合にこのセキュリティ機能を有したUSBメモリを用いれば、驚異となる悪意のあるプログラムの侵入を防ぐことができます。そのようなUSBメモリは、メモリに入ったデータをスキャンし、悪意のあるプログラムを駆逐するものです。そして、100パーセント安全なデータを移動先のコンピューターに移すことができるのです。そのようなUSBメモリを活用することで、安全なデータの移動を実現します。
コンピューターウイルスにはさまざまな目的でつくられたものがあります。たとえインターネットを介して情報を盗まなくても、ただコンピューターの機能に干渉してパフォーマンスを低下させることを目的としたものもあるのです。そのようなものはただ増殖し、ただ感染した先のコンピューターを破壊するものです。誰も得をしませんし、そのウイルスを配布した犯人も何の利も得ません。ただ、そのようなウイルスを「配布したかった」というのが理由なのです。そのような目的で流布したウイルスが沢山あります。一度配信されてしまった以上、完全になくなることはないのです。そのようなウイルスからコンピューーターを守るためには、さまざまなシーンを想定した防御策が必要になるのです。
|